新・ものづくりへの挑戦
ベトナム経済視察旅行レポート

ひらかた地域産業クラスター研究会と枚方七企業団地連絡協議会は、平成25年3月20日(水・祝)から24日(日)の日程で、ベトナム国ホーチミン及びその周辺地域の経済視察旅行を行った。

主な目的は、ホーチミン市人民委員会との会談、現地経済情勢ブリーフィング、日系企業、現地企業、工業団地等の視察である。

また、ここ最近目覚ましい発展を遂げていると聞くベトナムの、特に盛んに進出している日系企業の現状やこれからの可能性を探ること、そして何よりも現地の雰囲気を実際に見て、聞いて、触れることで、その勢いを感じ取ることが大切な目的でもあった。

日  程 : 平成25年3月20日(水・祝)~24日(日) 3泊5日

視察先 : ベトナム国 ホーチミン市およびその周辺地域

3月20日(水) 出発日 第一日目

10:30 関西国際空港より出発
14:05 タンソンニャット空港到着、ホテルチェックイン
17:00 ホーチミン市人民委員会 訪問
19:00 夕食

豪華な建築と和やかな雰囲気の中で、ホーチミン市人民委員会との会談が行われた。

ホーチミン市副市長 レー・マーン・ハー様(Mr. Le Manh HA)、対外局、商工局、計画局、文化交流局の方々がご出席。

ホーチミンは、大変改革し、発展している。インフラ整備も進めており、これからも発展していく。日本は最も友好的で、投資を期待している国である。既に多くの企業が進出しているが、さらに企業の進出を期待している。

といった、副市長からのご発言があり、また訪問団からも質問が出され、活発な意見交換ができ、有意義な訪問となった。

3月20日(水) 出発日 第一日目

 9:00 ジェトロホーチミン 経済状況ブリーフィング
10:45 ビンホア電子機器 見学

12:00 昼食
15:00 ムイホイ鋳物工場 見学
17:30 市場観光
19:00 夕食

ジェトロでのホーチミンの経済状況についての説明は、非常に分かり易く参考になった。経済はここ数年厳しい状況になりかける場面も出ているが、国のコントロールもあり、高い成長を維持している。日本からの進出は、中小企業が増加してきており、労働集約型で、全量輸出を行う場合が今のところは多い。

現地電子機器製造企業は、設備は最新では無いが、ワーカーの数が多く、3Sの取り組みなど、きちんと管理された中で製造しているように感じられた。

現地鋳物製造企業は、日本の大企業からの受注があり、また枚方の企業の部品も作っている。広い工場内で、ワーカーが鋳物の工程をこなしていた。

現地企業2社はどちらも日本企業との取引を希望している。

今回のこの2社は、雰囲気に大きな違いはあるが、現地企業に対するイメージが掴め、発注先、仕入先としてのベトナム企業として参考になったと思われる。

3月22日(金)

9:00 タカコベトナム法人 見学
12:00 昼食
13:30 KSM(伸和ベトナム)・早水ベトナム 見学
15:30 ヌンチャクⅢ工業団地 説明会&見学
17:30 市場観光
19:00 夕食

タカコベトナム工場

タカコベトナム法人は、ベトナム進出10年を経過し、現地にしっかりと定着し、株式会社タカコの考え方を現地に合うようにアレンジしつつ、きちんと現地従業員を育てている。工場は、整然と設備され、独自の空調方法で、効率よく運営している。もちろん現地ならではの問題点はいろいろとあるが、きっちりと対処することによって、解決している。ベトナム進出の成功例だと思われる。

午後からの(株)伸和製作所と(株)早水鉄工所の現地法人では、最近ベトナム進出を果たし、広い工場に機械が少しずつ配置されつつある状況と言える。生産もスタートしているが、まだまだこれから伸びていくであろうと思われる。いずれの経営陣も、「この工場をこれからどうのように成長させていくかを考えると、非常に楽しみである。」と語っておられたことが、ベトナム進出への期待の大きさをよく示していると思う。

早水ベトナム工場

ヌンチャクⅢ工業団地の日本企業向け進出投資説明と現地工場敷地見学は、日本企業ばかりを集めて、集合エリアを設ける構想などの説明があり、いかに日本企業の進出を期待し、力をいれているかがよく伝わるのもであった。広大な工業団地の土地がのこっていることが、まだまだこれからの開発を待っているベトナムの伸びて行く可能性を感じさせるものであった。

伸和ベトナム工場前にて

ヌンチャックⅢ工業団地貸工場

3月23日(土)

7:30 メコンデルタ 見学
12:30 昼食
15:30 市内観光等
18:00 ホテルチェックアウト
19:00 夕食
21:00 タンソンニャット空港

観光地としてのベトナムの魅力の一端を見ることができた。

まとめ

空港から市内中心部へ向かうバスの中から、テレビでよく見る大量のバイクの風景と雑然とした街並み、その中で高級ドイツ車や日本車も多く見かける一方、まだ古くからの習慣らしき光景が多く見られる町であった。

進出企業が増えている、勢いがある、などと日本でも情報は入ってくるのだが、人件費、地代、その他のコスト、比較的おとなしく勤勉な民族性、親日的であるなどを現地で見て聞くと、多少超えなければいけないハードルはあることを考慮しても、ベトナムに進出するメリットはあるのではないかと、感覚的に感じることができた。

ホーチミン市政府との会談から始まり、ヌンチャクⅢ工業団地まで、参加していただいた皆様は、なごやかな雰囲気ながら、精力的に視察していただき、ベトナムの勢いを感じていただけたことと思う。

行って良かったというお声も参加者からは頂くことができた。

皆様の多大なご理解、ご協力のもと、全員無事帰国できたことを心から感謝するとともに、各参加者の今後のお仕事に何らかのお役に立てることを祈っております。

ありがとうございました。

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